2022/11/10 米国CPI発表でドル円急落時のトレード

FX(為替)

今回は2022/11/10の米国消費者物価指数発表(CPI)時のトレードを振り返ってみる。
見たことないほどのドル円の強烈な下げがあり、最終的には日本政府の初回為替介入下値を割るほどであった。

実は、CPI前にはドル円は下げ目線と予想していたのに、事前にポンド円トレードで捕まっていて、CPI時にドル円トレードができず、めちゃくちゃ悔やまれた。
ただ、後で振り返ってみると、いろいろ気付いたこともあり、勉強になった。

いつものようにGMOクリック証券トレードで、チャート分析はTradingView。

米国CPI発表時のドル円チャート

まず、米国消費者物価指数(CPI)発表までのドル円(USDJPY)の動きを30分足チャートで振り返る。

上図のように、2022/09/22 の日本政府による2兆円規模の初回為替介入があり、市場には全く効果が無かったかのように全戻しして、152円近くまで上昇して、2022/10/21 に6兆円規模の2回目の大規模介入があった。
そこからは、あたかも日本政府がトレード転換を知っていたかのようにドル円の下降トレンドが始まったという流れだった。
一旦、145.1円で下値を付けてもみ合いを続けてCPIを迎えるという流れだった。

次に、直近を15分足で見てみる。

上図の様に145.1円が抵抗線になっていることが分かる。
2022/11/03のFOMCでも割れず、雇用統計でも割れなかった。
その状態で、CPIではどうなるかというのが市場の大きな話題だった。

比較的、信頼性の高い筋の事前の予測では、前月比が前回の値の0.4%よりも高い0.7%で、一般予測の0.6%よりも高い値だった。
そして、コアの前月比は前回の0.6%よりも低い0.54%で、一般予測の0.50%よりも少々高い値であった。
よって、自分の個人的予想では、CPI発表直後は一旦爆上げして、その後すぐに全戻しし、逆に下に大きく割れると読んでいた。
結局、最終的な数値は以下であった。

【米国CPI 10月分】
前月比: 前回 0.4%、 予想 0.6%、 結果 0.4%
前年比: 前回 8.2%、 予想 7.9%、 結果 7.7%
コア前月比: 前回 0.6%、 予想 0.5%、 結果 0.3%
コア前年比: 前回 6.6%、 予想 6.5%、 結果 6.3%

つまり、一般予想を全て下回り、しかもすべてに置いて前回値よりも下回っていたのである。
これを受けて、ドル円の動きを1分足チャートで見てみると、こうなった。

なんと、殆ど押し目らしいものを付けずに、146円から140円前半までドル円が下落したのである。

この時、幸いに自分はポンド円で捕まっていてドル円トレードできなかったのだが、もし、初動の爆上げを予想してロングしていたら、大変な損害が出ていただろう。

もっと先を見てみると以下のようになった。

このように140円付近の初回の日本政府介入下値さえも割ってきたのである。
結果、138.5円まで下落していった。

もし、ドル円トレードをしていたなら、初動の上げという予想よりも、全体としては下げ目線だったので、初動の上げの利益を無視して、145円の抵抗線を割ったところに逆指値を入れておくという戦略が正解だった。
事前の有識者の予想では、145円を割れたら2円くらいは下げるということだったので、それに乗れなかったのは悔やまれる。

米国CPI発表時の米国10年債利回りチャート

では、米国10年債利回り(US10Y)チャートを見てみる。

コロナ安値からの日足チャートはこうなっている。

自分はエリオット波動は初心者だが、カウントしてみると金利は天井を打ったとは思えない。しかも、FRBはまだ利上げするのは確実だからなおさら。
上昇5波中のインパルス3波が終わっただけのように見える。よって、今回の下げはその修正波にすぎないのかも知れない。

4時間足を見てみると、下図の様に最後の上げは3波動であった。これは一般社団法人日本エリオット波動研究所でツイートされていた通り。
ということは、今は上昇の修正波中であって、今回のCPIでもその修正波中と見て取れる。

このように、米国長期金利はまだ天井を打ったとは言えそうもない。
FRBからしてみれば、せっかく利上げを積み上げてきたのにこんなことで下がっては困ると思っているかも?。

もう少し細かい15分足チャートを見てみると以下のようになる。

CPI発表時は殆ど上げもせず急降下していることがわかる。

米国CPI発表時の通貨の強弱

では、他の通貨は今回のCPIでどう動いたのかを見てみる。

円インデックス(JPYX)、ドルインデックス(DXY)、ポンドインデックス(BXY)、ユーロインデックス(EURX)は以下のようになった。

このように、CPI直後はドルが垂直降下し、ユーロとポンドが垂直上昇している。ただ、円は比較的緩やかに上昇している。
ただし、注目はドルが押し目を付けた後、円が急上昇していることだ。円は遅れて大きく上昇したのである。これはどういうことだろう。
もしかして、これに便乗して介入が入ったのかな???

まぁ、このおかげで、自分のポンド円の含み損が助かったのであるが、ドル円の謎の一方的下げにつながったのは遅れた円の上昇であったのだ。

ポンドは米金利が下がったことによって英国が強くなると読まれたのかな?

まとめ

実は、今週は仮想通貨取引所のFTXが破綻しそうで仮想通貨が大暴落という大事件もあった激動の一週間であった。

今回のCPIは下げ目線という予想が当たってはいたが、一歩間違えたトレードすると大損するというとても勉強になった相場であった。

今回の相場は永遠に記憶しておきたい。

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